最近、今までと少し違う相談が増えています。
「夫の駐在についてきて、オーストラリアに住んでいます」 「カナダ駐在に帯同中です。時間はあるのに、何をしていいか分からなくて」
話を聞いていると、留学の相談というより、「この数年をどう過ごすか」という相談に近いことが多いです。今日はその話を書きます。
「向こうで何してたの?」に答えられない

面談でよく聞く言葉を、そのまま書きます。
「一時帰国で友達に会うと、仕事の話についていけない」 「履歴書の空白が、毎月伸びていく感じがする」 「恵まれてるのは分かってるんです。だから誰にも言えなくて」
駐在についてきた側には、キャリアの話をする場所がほとんどありません。旦那さんの会社は関係ないし、日本の転職サイトは海外在住だと動きにくいし、現地の友達には愚痴りにくい。
それで、時間だけが過ぎていく。
でも、この期間を「ブランク」と呼ぶかどうかは、実は自分で決められます。必要なのは、選択肢を知ることだけです。
帯同期間にできることは多い
あまり知られていないだけで、方法はいくつもあります。よく提案しているものを紹介します。
キャリアアップしたい方:専門課程+就労経験
カナダ・バンクーバーやオーストラリアの各都市で、専門分野を学び、有給で就労経験まで積むプログラム。「専業主婦のブランク」と書くはずだった期間を、「海外での専門資格+就労経験」に書き換える使い方です。
日本で看護師をしていた方:アシスタントナース
日本の看護師資格は、オーストラリアで活かせます。英語コースとCertificate III(介護・医療系の公的資格)がセットになった17週間のプログラムがあって、修了後はアシスタントナースとして現地の医療現場で有給で働けます。
入学は英語のオンラインテストから。IELTSのような公式スコアは要りません。
17週間という長さは、帯同期間が残り1年の人でも間に合う設計です。帰国後の職務経歴書に「駐在中、オーストラリアの医療現場で就労」と書けるようになります。
子育て経験を資格に変えたい方:保育
同じく英語コースとCertificate III(幼児教育)がセットの17週間。1年の長期でしっかり学習できるプランもあります。子育ての経験がそのまま強みになる分野で、オーストラリアは保育人材の需要がとても高い。修了後に現地の保育現場で働く道があります。
英語初心者の方:学校オフィスで実務
まだ英語力に自信がない方で、でも飲食関係ではなくオフィスでの就労経験を積みたい、という方には「学校オフィスのインターンシップ」があります。まずは語学学校で英語力をブラッシュアップして、学校修了前にオフィスのインターンができるプログラムです。数は少ないですが、有給のポジションもあります。
実例:残り期間からの逆算

面談では、残りの駐在期間から逆算してプランを組みます。実際によくある3パターン。
- 残り1年・シドニー在住・日本の看護師資格あり今月相談 → 来月オンライン英語テスト → 17週間のコース → 残り約半年をアシスタントナースとして有給で勤務 → 「海外の医療現場で働いた看護師」として帰国。
- 残り2〜3年・バンクーバー在住・働けるビザあり1年目にカレッジで専門資格 → 2年目に現地企業で就労経験 → 帰国時には資格と職歴が両方揃う。
- 残り期間未定・ブリスベン在住・目的がまだ決まっていないまず英語コースで生活を立て直しながら方向を決める → 興味が固まったら資格コースへ。「何かしなきゃ」の焦りを、順番に変えるパターン。
英語とお金の話も、正直に
英語に自信がなくても始められます。上で書いたとおり、英語が初心者でも入れるコースや、英語コースから資格課程にそのまま上がれる仕組みまであり、「英語ができないから無理」ではなく「英語ができないところから始められる」が正しい理解です。
費用はプログラムによりますが、有給で働くプログラムなら費用の一部は現地で回収できます。世帯の駐在手当に手をつけずに自分の収入を作れるようになった、という人も多いです。
よくある質問

駐在帯同のビザでも学校に通えますか?
多くの帯同ビザで就学は認められていますが、就労の条件も含めてビザの種類によって違います。今のビザで何ができるかの確認から始めるのが安全です。相談時に一緒に確認します。
英語力はどのくらい必要ですか?
初心者でもできる方法が複数あります。また、IELTS等の公式スコアは不要です。アシスタントナースと保育のコースは無料のオンラインテストから始められます。
子どもがいても大丈夫ですか?
はい、お子さんの学校や保育の時間に合わせて通学プランを組めます。
駐在期間が急に短くなったら?
赴任の都合で帰国が早まるケースは織り込み済みです。期間の短いコースの選び方や途中終了時の扱いも、最初の相談で説明します。
リサーチは早めが正解
面談で一番よく言われるのは「もっと早く知りたかった」です。
残りの駐在期間から逆算すると、動けるタイミングは思っているより短い。でも、残り1年からでも間に合う方法はあります。
まず「今の自分のビザと残り期間で何ができるか」だけ、整理してみませんか。それだけでも、帰国後の景色が変わります。


