今回の記事では、バンクーバーの交通手段で欠かせないコンパスカード(Compass Card)についてご紹介していきます。
留学やワーキングホリデーで滞在する方にとっては必須!と言っても過言ではないほど、長期滞在者に普及している電子カードシステムがあります。
カナダ到着前にコンパスカードの使い方や種類、購入方法、各種ルールを把握していると留学生活をスムーズに始めることができます。
この記事で学べること
・コンパスカードの種類と料金
・コンパスカードの購入方法
・あまり知られていないルール
・バスや電車での利用方法と注意点
今後バンクーバーに来られる方、到着直後の方は必見です!
コンパスカードって何?

バンクーバーのスカイトレイン(電車)やバス、シーバス(水上バス)は「コンパスカード」という電子カードを使って利用することができます。
コンパスカードは日本のICOCA、Suicaのような交通機関専用の電子カードです。
コンパスカードはTranslinkが運営をしており、バンクーバー市内を中心に皆さんが日常生活で使う交通手段で使えます。

私はダウンタウンの語学学校に通っているので、コンパスカードの定期タイプを購入して利用しています。
利用できる交通手段
バンクーバーの主な交通手段でコンパスカードが使えます。
電車(スカイトレイン)


バンクーバーでは大きく3つの路線があり、総称して「スカイトレイン」と呼び、路線は「エキスポライン」「ミレニアムライン」「カナダライン」の3つです。
海外の電車の中では、整備がきちんとされているので比較的綺麗です。
市バス


電車よりもカバーされている範囲がかなり広いバス。都心部、郊外の至るところにバス停があります。ホームステイ先からまずはバスで駅まで向かう方も多いです。
水上バス(シーバス)


コンパスカードを使ってシーバス(Seabus)と呼ばれている水上バスにも乗船することができます。中心地のダウンタウンとノースバンクーバーの移動に利用します。
利用できない交通手段
レンタル自転車


バンクーバーにはバイクシェアシステムがあります。
会員登録や支払プランの選択だけでなく、ヘルメット着用義務・歩道走行禁止・ハンドジェスチャーなどルールもあるため、事前に公式ウェブサイトを確認して予習をしましょう。
自転車


バンクーバーで見る自転車というとスポーツ用のものがほとんどで、ヘルメット着用も必須です。値段も張るので、留学生の移動手段としては一般的ではありません。もちろん実費です。
Uber/ Lyft/ タクシーなど


他にもUber(ウーバー)やLyft(リフト)をはじめとするライドシェアやタクシーも交通手段として挙げられます。運営が違うため、決済でコンパスカードの利用は不可です。
コンパスカードの種類
コンパスカードには3つの種類があります。
青色のコンパスカード


Adult compass card
もっとも一般的に使われるカードで、チャージや定期券として使用することができます。
オレンジ色のコンパスカード


Concession card
5歳から13歳の子どもと14歳から18歳までの学生証を持っている学生、65歳以上の方が使用できます。
白色のコンパスカード


ときどき乗る人や観光客が利用する「白色のコンパスカード」も存在します。1dayパスなどのサービスで使用することができます。
コンパスカードの機能
電子マネー
コンパスカードに入金しておくと、残高から利用する区間の料金が引かれていきます。
入金方法は、主にオンライン、スカイトレインなどの駅やターミナルなどに設置されている「Compass Vending Machine」で入金することができます。
また、ロンドンドラックストアやコンビニエンスストアでも購入することができます。
Monthly Pass(定期券)
コンパスカードは定期券としても利用することが可能です。
使用期限:1日〜末日
購入期限:前月の20日〜当月の15日まで
定期券の日付を決めることはできないので注意してください。
3つの料金設定


コンパスカードの料金設定はゾーン(ZONE)によって異なります。自分の利用する範囲によって購入料金が変わります。
滞在場所と学校の住所をもとにゾーンを確認し購入しましょう。
コンパスカード | 1ゾーン:$2.50 2ゾーン:$3.65 3ゾーン:$4.70 |
---|---|
月額定期券 | 1ゾーン:$102.55 2ゾーン:$137.10 3ゾーン:$185.20 |
1日パス | 全てのゾーン:$11 |
現金 | 1ゾーン:$3.10 2ゾーン:$4.45 3ゾーン:$6.05 |
参考:https://www.translink.ca/transit-fares/pricing-and-fare-zones
現金では1ゾーン$3.10かかるのに対し、コンパスカードだと$2.50で移動することができます。
コンパスカードの購入方法


コンパスカードの購入方法を写真付きで解説していきます。
駅の自動販売機で購入
こちらの機械がVending machine(自動販売機)になります。


スクリーン上で必要なオプションをタッチします。言語は英語だけでなく、日本語など6ヶ国語から選ぶことができます。


次に購入するタイプを選択します。


通勤や通学に必要なゾーンを選択します。


支払い方法はデビットカード、クレジットカード、現金から選ぶことができます。
ポイント
初めて購入の方は、コンパスカードのデポジットが必要なので、指定した金額より支払いが多いので注意が必要です。
下にある受け取り口からコンパスカードを受け取ると、取引が完了です。
Vending machineでは残高の確認もできます。
豆知識・特別ルール


90分ルールがある
同じゾーンであれば、90分間何度でもバスや電車を利用することができます。
バスのみの利用はお得
バスのみの利用であれば、全ての区間1ゾーン料金で利用することができます。
平日夜と土日割がある
平日の18:30以降、土日祝日はスカイトレインやシーバスを利用しても1ゾーン料金で利用することができます。
残高不足でも使える
もし残高不足になったとしても最初はデポジットから引き落とされるので、その後忘れず入金をしましょう。
クレジットカードでも代用可
支払い方法が更新され、運賃のお支払いは、コンパスカードや現金の他に「タップ決済が可能なクレジットカードでの支払い」が可能になりました。ただ、VISAかMasterCardのコンタクトレス決済に限ります。
クレジットカードを使う場合、改札やカードリーダーにタッチすることで料金が引かれていきますが、現金と同じ決済料金のため、コンパスカードに比べると割高です。
バスでの利用方法


バス乗車時のコンパスカードの使い方を紹介します。
乗車・降車ルールが少し難しいと感じる方も多いかと思うので、併せて解説していきます。
バスの乗車方法


バスに乗車する際は、バス停から乗ります。
バンクーバーではバスが街の至るところで走っており、バス停もたくさんあります。単列のバスまたは連結されたバスが来ることがあります。
バスの車体やバス停には何番バスなのかが記載されているので、自分の乗りたいバスに乗車しましょう。※バス停のほとんどに時刻表はありません。
携帯のSMS機能を使い「33333」の宛先に「バス停番号とバス番号」を記入して送信することで、次のバスが到着するのかがわかります!
バスは基本的には前から乗車していきますが、どこから乗車しても問題はないです。日本と同様、降りる人が優先です。


バスに乗るとカードリーダー(画像参照)があるのでコンパスカードをかざし、決済を行います。
現金払いの場合
コンパスカードを持っていない方は、運賃箱にお金を入れていきます。バスに乗車するには$3.10が必要なのですが、お釣りが出てきません。ちょうどの額のコインを持って乗車することをおすすめします。
金額を支払うと運転手から下記のような紙をもらいます。


もし、バスの乗り継ぎがあるのであれば、90分間乗り降り放題なので、次のバスの運転手に見せれば引き続き利用することができます。
バスの降車方法
降車の際は、2種類の方法どちらかで運転手に合図を送ります。
・ロープ
窓際に黄色のロープが張っているので、ロープを引っ張る。
・ボタン
車内の柱にボタンが設置されているので、ボタンを押す。
また、バスを降車する際は、コンパスカードをカードリーダーには絶対にかざさないでください!
また、後方の扉はバス車内から扉を押さないと開閉できない仕組みになっているので、注意してください。
多くの乗客が、運転手に向けて「Thank you」など言葉を送り降車します。




私自身、最初に乗った際はびっくりしました。今では素敵な文化と感じ、運転手に感謝の気持ちを伝えています。


バスでの注意点
・バスの揺れが激しいので酔いやすい方は気をつけましょう。
(私の友達はバス車内で立っていた際に真ん中から運転席まで飛ばされたことがあります。)
・現金の際は、必ず紙を受け取りましょう。
・時間に余裕を持って行動しましょう。
朝の通勤通学の時間帯だとFULLと書かれており、バスが通り過ぎることがあります。また、時間通りに来ないことが多いです。
・降車の合図が遅れると、降りたいバス停には停車しないことがあります。
電車での利用方法


スカイトレインの駅には改札があるので、コンパスカードをかざし入場します。
路線にもよりますが、スカイトレインでは朝や夕方の時間帯は数分おきに到着することが多いです。駆け込み乗車は止めて、次の電車に乗ることをおすすめします。
時間帯によってはかなり混んでいるので、荷物や貴重品は大切に保管することをおすすめします。
改札を出る時もコンパスカードをかざし退場します。


電車での注意点
・バスで利用できた紙の乗車券は、スカイトレイでは利用することができません。
・退場する際にタップをし忘れると、3ゾーン料金がかかるので注意してください。
水上バスでの利用方法


バンクーバーには、ノースバンクーバーとダウンタウンを繋ぐシーバス(Seabus)という水上バスが運行されています。


平日は最短10分間隔、土日祝日は最短15分間隔で運行しています。
乗船方法はスカイトレインと同じく、改札があるのでコンパスカードをかざし入場します。


入り口には次のシーバスが来るまでのカウントダウンが電光掲示板で表示されており、多くの利用客が時間を見て入場していきます。


シーバス船内は広く、快適に過ごすことができます。


また時間帯や天候によっては、ビルが立ち並ぶダウンタウンの景色を見ることができ、心が癒されます。
下船後は出口に進み、改札にコンパスカードをかざし退場します。
シーバスでの注意点
シーバスには左右に扉があり、入場した扉には「No exit」と表示されているので、こちらからは退場しないように気をつけてください。


コンパスカードを紛失したら?


コンパスカードは紛失する可能性があります。
事前にホームページよりマイアカウントを作ることで、紛失後の対応をすることができます。




私の友達も購入したその日に紛失し、入金したお金が戻ってこないことがありました。
紛失した際の対処方法
・マイアカウントから変更依頼
オンライン上で手続きが可能です。公式サイトはこちら。
・サービスセンターで変更依頼
スタジアムチャイナタウン駅にCompass Customer Service Centerがあります。多くの書類があるため、直接窓口に出向くことをおすすめします。
関連:到着後すぐにすること
バンクーバーに到着直後は慣れないことの連続で、大変だと思います。コンパスカードの購入の他にも、することは多くあります。下記のリンクをぜひ参考にしてください。
皆さんの留学が素敵なものになることを願っています。